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地球物理学

楓橋夜泊

   月落ち、烏啼いて、霜天に満つ   江楓漁火、愁眠に對す   姑蘇城外の寒山寺   夜半の鐘聲客船に到る  月は沈み、闇夜の空に烏の姿は見えず、その鳴き声だけが聞こえてくる。寒気は辺り一面にみなぎり、今にも霜が天から降ってきそう...
茶飲み話

一刻の中の永遠

 光より速く走るものは何か。新幹線の「のぞみ号」という答を期待しているのではない。現在の物理学では、決して、答が存在しないとされるこの問に、敢えて答えるなら、それは人間の知的好奇心であろう。  宇宙論が、それまでの天文学から分かれて...
現代物理学

パチンコ玉の宇宙論

水滴と豆腐  テーブルの上に小さな水滴を落とすと、水滴は広がらずに盛り上がった状態で安定する。水滴に働く重力と水滴の表面張力が釣り合うためだが、コップ一杯の水をテーブルに落としても、盛り上がった大きな水滴はできない。  最近で...
未分類

ノミのスカイダイビング

 高いところから物体が落ちるとき、空気抵抗は速度が増すにつれて大きくなり、やがて物体の重力と釣り合うと、それ以降は等速度で落下し、速度はそれ以上大きくはならない。そのときの速度を、ターミナルベロシティ、終端速度と呼ぶ。  空気抵抗が...
未分類

小野道風とカエル

 藤原佐理、藤原行成とともに三蹟と並び称される小野道風にも、辛い修業にくじけそうになることがあったのだろうか。道路脇の雨カエルが何度も失敗を繰り返しながら、ついに柳の枝に跳びつく光景を見た彼は、それ以来、勉学に励んだと伝えられてい...
未分類

アリとマスオさん

 一説では、アリは、最大、自分の体重の20倍の重さを運ぶことができるという。そうだとすれば、アリは6本の足で、アリ自身の体重も含めると体重の21倍の重量を支えることができることになる。カネもなければチカラもない筆者からみれば、大変な力持ち...
思い出

ゲンコツ先生の思い出

 昭和二十八年、小学校三年生だった筆者のクラスの担任教師は白髪まじりの坊主頭で、当時もまだカーキー色の国民服を着ていた男の先生であった。算数の宿題を故意に忘れていた筆者は、その先生からよくゲンコツを見舞われたものだが、この年の六月に筑後川...
思い出

文学で綴るエントロピー

 まるで幽霊のように、われわれの体も、そして地球も、あらゆる障害物をすり抜けることのできる不思議な素粒子ニュートリノ、物質とほとんど相互作用をしないため、検出するのが難しく、さらに質量を持つかどうかも、最近まで不確かであったこの素粒子に広...
蜘蛛の糸

芥川小説「蜘蛛の糸」のルーツ

 蜘蛛の糸の真相なるものをいくつか紹介したが、いずれも、知ったかぶりの憶測を、「蜘蛛の糸」の作者は嘆いているだろうか、それとも怒っているだろうか。急速な科学の進歩と目まぐるしい社会の変革のなかで、世の価値観が多様化した時代に、今なお、自己...
力学

疑惑その3:悪人正機説

 犍陀多なる男、自己中心の悪人には違いないが、物理教育にとっては、大変、利用価値のある男、蜘蛛の糸が切れても、何とか助ける手立てはないものだろうか。そんなことを考えていた矢先に、数人の学生から、おかしな目撃情報が舞い込んできた。  ...
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