親子で遊ぶヘロンの噴水

準備するもの
材料:風呂場の洗面器のようなポリ容器1個、ペットボトル3本、ゴム栓3個、アルミ管(外径4mm程
   度)1m程度、ピペット(一方の先端を細くしたガラス管)1個、パッキンのための
   Oリング1個、アルミ管を繋ぐためのビニールホース1.5m程度
(ゴム栓には、二つの穴を開け、そこにアルミ管やピペットを差し込むと、ゴム栓が膨らんでペットボトルに入らなくなりますので、ボトルにゆるく入る程度のものを選んで下さい。また、ピペットは中学や高校の理科や化学の先生に頼んで、先端の細い部分が折れて使えなくなったのを貰うか、この際、厚かましくガラス細工で作ってもらうか、または代用になるものをホームセンターなどで探して下さい。)
工具:カッターナイフ、コルクボーラー
カッターナイフの使用については、怪我のないように注意してください。
工作法
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(1)左図のように、一本のペットボトルとそのキャップから、不要な部分を取り除き、部品Aと部品Bを作成します。
(2)ポリ容器の底の中央に、カッターナイフでペットボトルの口がやっと入る程度の穴を空けます。
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(3)部品Aに、その下から水漏れを防止するためのパッキンを装着しておきます。
(4)パッキンを付けた部品Aをポリ容器の穴に上からねじ込み、下から部品Bで締め付けます。
(5)一個のゴム栓に二つの穴をあけ、ピペットと5cm程度の長さに切ったアルミ管を差し込みます。これを(4)で作った容器に装着します。こうして作った容器を水槽Ⅰと呼ぶことにしましょう。
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(6)右図のように、ペットボトルとゴム栓とアルミ缶で水槽Ⅱを作ります。さらに水槽Ⅱと全く同じ水槽Ⅲを作ります。
(7)三つの水槽Ⅰ、Ⅱ、Ⅲをビニール管で繋いでヘロンの噴水の出来上がりです。
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 水槽Ⅰに水を注ぐと、水槽Ⅲに流れ込み、その水位が上がるために、水槽Ⅲの圧力が上がります。同時に水槽Ⅲと繋がっている水槽Ⅱの圧力も上がり、その水面を押すため、水槽Ⅱの水が水槽Ⅰのピペット管から噴水が上がることになります。水槽Ⅱが空になると噴水は止みますが、その直前、噴水は一瞬、高く吹き上がります。
 最初に水槽Ⅰ以外は布なので覆って隠しておき、あとで配管も見ながら、噴水が上がるしくみを考えて貰うのもよいでしょう。噴水が止んだあと、もう一度、噴水が上がるようにするには、水槽Ⅱと水槽Ⅲのゴム栓を抜いて両者を入れ替えてください。
 水槽Ⅰの水位から測った噴水の高さは、粘性や摩擦が無視できれば、ベルヌィの定理から、水槽Ⅱと水槽Ⅲの水位差Hに等しくなりますが、実際には粘性や摩擦のため、Hより低くなります。
 ペットボトルは、500~600mlの大きさので充分ですが、科学イベント用に、より高く上がるダイナミックなヘロンの噴水をつくるには、水位差Hを大きくするだけでなく、管を太くし、粘性や摩擦を減らす必要があります。その場合には、下図のように、水槽Ⅱや水槽Ⅲとして、ポリタンクを用いればよいでしょう。そして、水槽Ⅰには、図のように噴水管と注水管を別々に取り付ければよいでしょう。
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ヘロンの噴水の演示実験をしますと、「水は循環しているのですか」という質問をしばしば受けます。一部分は循環していますが、永久に循環するわけではありません。容器Ⅲに水が落ちてしまえば終わりです。
 いつまでも循環させるためには、外部からエネルギーを加えなければなりません。容器Ⅲに落ちてしまった水を持ち上げ、一部分を何か別の容器に入れ、残りを容器Ⅱに入れたあと、別の容器に入れた水を容器Ⅰに注げば、水は再び循環しますが、その場合、我々が重力に逆らって仕事をしたことになります。
 
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