ミツバチの神経衰弱

 一本の株に一匹のミツバチが蜜を求めてやって来たとしよう。その株には多数の花が咲いていて、蜜が溜まっている花とすでに蜜がとられて空になった花とがある割合で存在していたとする。

 ミツバチが花から花へ移りながら蜜を集めるとき、一度訪れた花を記憶していて、同じ花には再度訪れることはないとすると、ミツバチが訪れる花に蜜が存在する確率はいつも一定である。ただし、そのミツバチ以外に他のハチはこの株には来ないとする。

 しかし、訪れた花の数がミツバチの記憶容量を超えると、その後は訪れた花を覚えられなくなり、一度訪れたのに、再度訪れてしまう可能性が生じてくる。しかし、再度訪れた花に蜜はない。つまり、トランプの神経衰弱で、一度、めくったカードを再度めくるようなものである。

 記憶容量を超えると、その後は蜜にありつく確率は一定とはならず、指数関数的に減少し、蜜を集める効率が悪くなり、ミツバチはその株を諦め他の株に移るという。それまでの記憶は抹消され、そして新たな「神経衰弱」がスタートする。

 この「ミツバチの神経衰弱」は、長崎大学環境科学部の学生からの質問をもとに書いたものです。「ミツバチの記憶容量を超えると蜜にありつく確率はどうなるか」という質問でしたが、その学生は他大学の生物系の大学院を希望していて、数理生態学に関する大学院入試の過去問だったようです。

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