「宇宙の誕生と芥川文学「蜘蛛の糸」」は、一見まったく関係のなさそうな「宇宙の物理的な成り立ち」「人間社会の歴史」そして「芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』」を、“二極分化(格差の拡大)”という共通のキーワードで結びつけ、多角的に考察しようとしている非常にユニークな導入記事です。
この記事が語っているポイントを3つのステップに分けてわかりやすく解説します。
1. 宇宙の誕生と「大規模構造」(物理の視点)
最初に、宇宙がビッグバンによって誕生したあとの歴史が語られています。
- 密度のゆらぎ: 初期宇宙のわずかな「物質の濃淡(ゆらぎ)」がすべての始まりでした。
- 重力不安定性: 物質が少しでも「濃い」場所は、重力によって周囲の物質をどんどん吸い寄せ、ますます濃くなっていきます(これが星や銀河、そして銀河が網の目のように連なる「宇宙の大規模構造」になりました)。
- 空洞化(ボイド): 反対に、物質が「薄い」場所はさらにスカスカになり、広大な空白地帯(ボイド)となりました。
このように、自然界では「わずかな差が重力によって極端な二極化を生む」という性質があることを説明しています。
2. 人間社会の歴史(社会の視点)
次に、この物理の法則を「人間社会」に当てはめています。
- 平等だった縄文時代: かつて人類が自然と共生していた頃は、富の差も身分もない平等な世界でした。
- 農耕と格差の拡大: しかし、農耕が始まり「余剰作物(蓄え)」ができると、それを多く持つ支配層(富める者)と、搾取される被支配層(貧しい者)へと急速に分かれていきました。
宇宙の物質が重力で一箇所に集まったように、人間社会でも「富と権力」という重力によって、格差が自然と拡大していったという対比です。
3. 芥川文学『蜘蛛の糸』へのアプローチ(文学と力学の視点)
そして本題である、地獄と極楽に二極化した世界で起きた「蜘蛛の糸」の事件へと話がつながります。
- 従来の解釈(因果応報): 主人公のカンダタが、下から登ってくる他の罪人たちを「突き落とそう(独り占めしよう)」とした利己的な心のせいで糸が切れた、というのが一般的な道徳的解釈です。
- 筆者が投げかける疑問: 筆者は「カンダタが叫んだ直後に糸が切れたのは、本当にただの『バチが当たった(因果応報)』だけなのか?」という疑問を呈しています。
💡 この記事の「先」にあるおもしろさ
関連記事のタイトル(「蜘蛛の糸」を巡る力学対話など)を見るとわかりますが、このブログの筆者は、カンダタが糸を登る行為や糸が切れた原因を、「物理学(力学)の視点」から真面目に検証しようとしています。
例えば、「人間の筋力と糸の張力の関係」や、「大勢が登ってきたことによる物理的な重量オーバー(耐荷重の限界)」といった、科学的なアプローチで文学を読み解くという試みです。
結論
この記事は、「世の中のあらゆる二極化(宇宙の構造、社会の格差、地獄と極楽)には共通する仕組みがあるのではないか?」という壮大な前振りをしつつ、「蜘蛛の糸が切れた本当の理由を、道徳論(因果応報)ではなく、物理学的な視点なども交えて怪しく(楽しく)検証していこう!」と読者を誘う、おもしろい研究の入り口(プロローグ)となっています。

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