シャチの婚活

 先日、NHKの科学番組「ダーウィンが来た」を見た。北海道の知床沖に大量のシャチが集結し、奇妙な振る舞いをするという。横一列に並んだかと思えば、次にその順番を入れ替えるという。研究者によれば、これはシャチの婚活であり、効率よく好みの相手を探すための席替えだという。知床沖のシャチの婚活はいつから始まったのだろうか、今回の放映を観て、自分なりの勝手な仮説を立てて、想像してみた。

  大きな袋を肩にかけ、大黒様が来かかれば、ここに因幡の白兎、皮を剥がれて赤裸

 大黒様とは、日本の国を創ったとされる神、大国主命(おおくにぬしのみこと)であり、因幡の白ウサギは、日本最古の歴史書とされる古事記にも記載されている日本神話である。兎の皮を剥いだというワニザメが、海の王者シャチだったとしたら、兎に騙され子孫を残すための大切な婚活を悪用されたのだから、シャチが怒るのも無理はなかろう。

 日常の生活の糧を海に求める漁師たちは、すでに古事記以前からシャチの不思議な行動が婚活であることを見抜いていたとしたら、彼らの間で、因幡の白ウサギの民話が生まれ、世代を超え昔話として語り継がれたに違いない!これまた飛躍するが、時代は下り、江戸時代の末期にその民話をもとに都々逸が庶民の間で流行した?!

  人の恋路を邪魔する奴はシャチに喰われて?死んじまえ

 上の句に続く、さまざまなバージョンの下の句がつくられ、かくして、昭和の歌姫が歌ったあの名曲が生まれた。♪エーエ、車屋さん!その後、人間がもたらした地球温暖化によって、シャチの婚活会場は因幡から北海道の知床沖に移動せざるをえなくなった。シャチの婚活を邪魔する無粋な奴は因幡の白兎ではなく我々人間だったのだろうか。

 かなり飛躍した仮説だが、「髭爺い」の感想をお聞きしたい。仮説の真偽はさておき、人間社会に、婚活パーティが流行り出したのは、まだ最近のことだから、この点で人間は遥かにシャチに後れをとっていたことは確かなようである。

 

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