宝くじの俗信迷信

 宝くじの番号には当たりそうな番号と当たりそうにない番号とがあるという。当選番号には何かの規則性が存在するだろうか。過去の年末ジャンボ宝くじで1等となった当選番号を退屈まぎれの暇潰しに調べてみた。
 それらの番号はすべて6桁の数値であり、169296、130916、195280、・・・など95本だったが、最上位、つまり、10万の位の数値はどれも1であるから、100000番から199999番までのくじが売り出されているようなので、10万位を除外した下5桁の数値に規則性があるかどうかを調べればよいであろう。
 そこで、この下5桁の各桁の数の和を計算してみた。例えば、最初の当たりくじ169296では下5桁の和は6+9+2+9+6=32、次の130916では、同じように計算すれば14となり、195280では28となる。次のグラフは、95本の過去の当たりくじ番号をこうして計算した下5桁の数で分類分けしたものである。
当たりくじ分布
 横軸は下5桁の数の和、縦軸はそれに属する当たりくじの数である。つまり、95個の当たりくじを下5桁の数の和でグループ分けしたのである。グループは0から45までの46通りであるが、その46通りのなかから当たりくじの出る確率は同じではないのである。明らかに横軸の中央付近から多くの当たりくじが出ている。
 しかし、これは発行されたすべてのくじ番号の分布を考えれば当然なことが分かる。次のグラフの横軸は前のグラフと同じく下5桁の数の和である。
発行くじ分布
 ほぼ正規分布であり、桁数字の和が22や23なの中央付近のグループに属するくじが多く売り出されている。それに対して、例えば、下5桁の桁数字の和が0であるのは10000番の1本だけであり、1になるのは5本だけである。それに対して、22や23などの中央付近のグループに属する番号は圧倒的に多いので、それらのグループから当たりくじが多く出ても、そのグループに属する番号が当たる確率が高いことにはならない。どのくじも、一つのくじが当たる確率は10万分の1であることに変わりはない。
 同じ数が続く番号は当たりにくく、ばらばらの番号のくじが当たりやすいというのも、前者に比べ後者が圧倒的にくじの数が多いからであり、個々のくじが当たる確率は皆同じである。
 また、ある売り場から売られたくじが当たると、次回には、その売り場に客が殺到し、売上数が増えれば、その売り場から当たりくじが出やすくなるだろう。これも、売り場によって当たる確率が違うということにはならない。
 
 宝くじはどの番号かが確実に当たるのだが、その確率は極めて低い。それを高くする方法はない。当たるのは偶然であり、努力によってその確率が変わるようなものではない。「宝くじの買い方」などの「研究」をして、一攫千金の夢を追うよりも、夢を実現させたいなら、朝ドラの「まれ」のように「地道にコツコツ」と努力を積み重ねながら、パテシェなり、輪島塗り職人なり、それぞれの夢に向かって進むことをお勧めしたい。
 さて、宝くじの発行総数を桁番号の和に対しての分布を調べると正規分布に近くなるという話、これからどう展開させようか。ここで終わったのでは面白くないが、今回はとりあえずここまで。

コメント

  1. 本告 道徳 より:

    君の文に触れたくて文学日常山之上憶良の所を開いて書き込みました。
    つかの間の時を後藤は、最大有効に使って自分鍛え他の人達鍛え楽しませる事になあって時(間)の達人の域に入られ益々飛躍されて聖人に挑戦して下さい。

    • nobuyuki より:

      本告君、コメント有難うございます。しかし、褒めすぎだと思います。凡人で俗人の唯のジジバカですが、これからも頑張って書き続けていきたいと思っています。お互い元気で長生きしましょう。

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